
OS X 10.8 Mountain Lion の man
を日本語化したときの備忘録。一昔前までパッチを当ててビルドする必要がありましたが、今は groff
の最新版を入れて設定をちょっと変えれば日本語を表示できます。
英語と日本語、両方のmanページを見れるようにしとくと、使い方を知りたいときに便利です。
Macのmanで日本語を見れるようにする
※ 検証環境は 10.8 Mountain Lion と 10.7 Lion です。
manコマンドでmanページを表示する際、$ groff
というコマンドで文章の整形を行ってます。Macに入っている groff-1.19.2 だと日本語が文字化けするのでhomebrewで groff-1.21 を入れます。
# homebrewにリポジトリを追加 $ brew tap homebrew/dupes # groffをインストール $ brew install groff
入れたらman.conf
という設定ファイルを一部変更します。
$ sudo vi /etc/man.conf
95行目付近のJNROFF
と、105〜106行目付近のPAGER
、BROWSER
に赤字部分を追加、変更します。
# 95行目付近の JNROFF の設定を変更する JNROFF /usr/bin/groff -Tnippon -mandocj -c JNROFF /usr/local/bin/groff -Dutf8 -Tutf8 -mandoc -mja -E # 105〜106行目付近の PAGER と BROWSER の設定を変更する PAGER /usr/bin/less -is BROWSER /usr/bin/less -is PAGER /usr/bin/less -isr BROWSER /usr/bin/less -isr
とりあえずこれで日本語を表示できるようになります。後は日本語のmanページを入れていきます。
日本語のmanページを入れる
日本語に翻訳されたMacのmanページは無いので、Linuxなどで使われてるものを流用します。
man-pages-ja(GNU、Linux)
JM Projectで配布されてるLinuxやGNUなどの日本語manページ集です。
# man-pages-jaをダウンロード
$ curl -O http://linuxjm.sourceforge.jp/man-pages-ja-20120915.tar.gz
# 落としたファイルを解凍
$ tar xfz man-pages-ja-20120915.tar.gz
# 解凍したフォルダの中に移動
$ cd man-pages-ja-20120915
# make を実行
$ make
$ make
を実行すると下のような画面になるので、インストール先ディレクトリなどを指定します。
インストール先を/usr/local/share/man/ja_JP.UTF-8
に。圧縮形式は0の無しか、1のgzipで良いと思います。
私の場合、homebrewを入れてる関係でユーザーはログインしてるユーザー名、グループはadminです。通常はユーザーがroot、グループはwheelなると思います。
後はインストールするmanページを選び、終わったら以下を実行します。環境によっては sudo をつけて実行します。
$ make install
インストール後、$ man
を実行すると「ja_JP.UTF-8」以下を最初に参照し、そこに無い場合は元の英語のmanページが表示されます。
ja-man-doc(FreeBSD)
FreeBSDの日本語manページ集ja-man-docです。文字コードがEUCなのでUTF-8に変換します。コード変換に使ってる$ nkf
はhomebrewで入れといてください。
# ja-man-docをDL
$ curl -O http://home.jp.freebsd.org/~kogane/JMAN9/ja-man-doc-9.0.20120115.tbz
# DLしたファイルを解凍
$ tar xfj ja-man-doc-9.0.20120115.tbz
# share/man/に移動
$ cd ja-man-doc-9.0.20120115.tbz/share/man
# gzipで圧縮されてるので解凍
$ gunzip -fr ./
# UTF-8に変換
$ find ja -name '*.[0-9]' -exec nkf --overwrite -w '{}' ';'
# gzipに圧縮
$ find ja -name '*.[0-9]' -exec gzip '{}' ';'
# manページを移動
$ mv ja /usr/local/share/man/
上を実行してくと、/usr/local/share/man/ja
にFreeBSDのmanページが入ります。
こうすると「ja_JP.UTF-8」の次に「ja」を参照し、どちらにも無ければ英語のmanページが表示されます。
OpenSSH
OpenSSH 日本語マニュアルページで配布されてるSSH関連の日本語manページ集です。
# openssh-jmanをダウンロード
$ wget http://www.unixuser.org/~euske/doc/openssh/jman/openssh-jman-590p1.tar.gz
# 落としたファイルを解凍
$ tar xfz openssh-jman-590p1.tar.gz
# UTF-8に変更
$ find . -name '*.[1-8]' -exec nkf --overwrite -w '{}' ';'
# gzipで圧縮
$ find . -name '*.[1-8]' -exec gzip '{}' ';'
# manページを移動
$ mv *.1.gz /usr/local/share/man/ja_JP.UTF-8/man1
$ mv *.5.gz /usr/local/share/man/ja_JP.UTF-8/man5
$ mv *.8.gz /usr/local/share/man/ja_JP.UTF-8/man8
日本語と英語のmanページを切り替える
.bashrc
などに下のようなaliasを設定しとくと、日本語と英語が切り替えられて便利です。
alias eman='env LANG=C man'
上の場合、$ eman 調べたいコマンド
と実行すると元の英語のmanページが表示されます。
逆に、普段は英語で必要なときだけ日本語のmanページを見たい場合は下のような感じで。
alias man='env LANG=C man' alias jman='env LANG=ja_JP.UTF-8 man'
$ man
で英語のmanページを。$ jman
で日本語manページを表示するようになります。
さいごに
ちなみにjmanとは、日本語パッチを当ててビルドした旧groffやmanと、日本語のmanページをパッケージにしたものです。10.5 Leopard 専用ですが、中身が古いだけで 10.8 Mountain Lion でも使えます。
jmanもそうですが、他のOSで使われてる日本語manページの寄せ集めなので、Macのmanページの内容と必ずしも一致しません。また、Macで機能しないソフトのmanページも含まれてます。注意してください。
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