
OS X 10.8 Mountain Lion に LAMP 環境を構築し Wordpress を導入したときのメモです。過去に何度か書いてますが、「Web共有」が無くなったり、必要なソフトをHomebrewで入れたり。以前と違うところがあるので、過去記事をまとめて書き直してみました。
Mountain LionにLAMPとWordpress:目次
1 Apacheの設定
- 1-1「サイト」フォルダを作成
- 1-2ユーザー用の設定ファイルを作成
- 1-3 phpを有効にする
- 1-4バーチャルホストを使えるようにする
- 1-5 Apacheの動作確認
2 MySQLのインストールと初期設定
- 2-1 データベースとユーザーの設定
- 2-2 phpとMySQLを連携させる
- 2-3 起動スクリプトの設定
3 phpMyAdminのインストールと設定
- 3-1 phpMyAdminのインストール
- 3-2 バーチャルホスト設定
- 3-3 設定ファイルconfig.inc.phpを作成
- 3-4 データベースをインポート
4 Wordpressのインストールと設定
- 4-1 Wordpressを設置
- 4-2 Wordpress用のデータベースの作成
- 4-3 Wordpressの基本設定
- 4-4 所有者を変更
- 4-5 バーチャルホストを設定
- 4-6 Wordpressのインストール
ターミナルが苦手な方は、Apacheの設定(Web共有を手動でONにする方法)以外は過去記事が参考になるかと思います。
1 Apacheの設定
10.8 Mountain Lionから「Web共有」が無くなりました。使いたい場合は自力で設定します。
1-1 「サイト」フォルダを作成
ターミナルで下を実行するか、Finderで「新規フォルダ」を選ぶかして、ホームにSitesというフォルダを作成します。
作成すると、これまで通りコンパス(?)つきのフォルダアイコンが自動で割り当てられます。
このフォルダの中に.localizedという不可視ファイルを作成すると、設定している言語のフォルダ名に変わります。
※:これまで使っていた「サイト」フォルダを使うなら、この設定は必要ありません。それと、/Library/WebServer/Documentsにhtmlファイルを置いて使う場合は、ここと、次の設定は不要です。Apacheの起動だけでOKです。
1-2 ユーザー用の設定ファイルを作成
/etc/apache2/usersにユーザー用の設定ファイルを作成します。
開いたファイルに以下を記入します。
<Directory "/Users/ユーザー名/Sites/"> Options Indexes MultiViews AllowOverride None Order allow,deny Allow from all </Directory>
旧環境と同じユーザー名なら、それをコピーして使ってもOKです。たしか 10.4 Tiger 以降なら、そのまま使えたと思います。私は 10.7 Lion のを使いました。
1-3 phpを有効にする
これまでのOS X同様、phpは最初から入っています。Apacheで使えるように設定を変更します。
117行目付近にあるLoadModule php5_module libexec/apache2/libphp5.soのコメントアウトを外します。
1-4 バーチャルホストを使えるようにする
後で使うので、ついでに設定しておきます。以下を実行してhttpd.confを一部変更します。
477行目付近にあるInclude /private/etc/apache2/extra/httpd-vhosts.confのコメントアウトを外します。
これでバーチャルホスト設定用ファイル「httpd-vhost.conf」が使えるようになります。ここは後で設定します。
1-5 Apacheの動作確認
「サイト」フォルダとユーザー用の設定ファイルの設置が済んだら、下を実行してApacheを起動してみます。
起動したら、ブラウザからhttp://localhost/にアクセスします。下のように「It Works!」が表示されたら成功です。
Apacheの動作を確認したら下を実行して停止しておきます。
2 MySQLのインストールと初期設定
homebrewでMySQLをインストールします。
インストールが終了すると下のように色々と表示されます。その通りに進めていけばとりあえず使えるようになります。
ちなみに、これらの注意書きは$ brew info mysqlを実行すればいつでも見れます。
2-1 データベースとユーザーの設定
インストールが済んだら、表示された内容に従って順に設定していきます。最初にデータベースのインストールとデータを格納する場所の設定をします。
これらを実行すると、ユーザーとパスワードの設定をするよう促されるので、その通りに設定します。
最初にmysqlを起動します。
起動したらパスワードの設定をします。
赤字の部分は設定したいパスワードに置き換えます。青字の部分は環境によって変わってきます。
一通り終わると/usr/local/varに「mysql」というフォルダが作成され、ここがデータベースの格納場所になります。
ほかにも設定したい項目がある場合は、下記を実行して対話方式で設定していきます。
2-2 phpとMySQLを連携させる
インストールしたMySQLをphpと連携させます。/etc以下に「php.ini.default」という雛形が用意されているので、これをコピーしてphpの設定ファイルを作成します。
作成したら設定を変更します。デフォルトでは/var/mysql/mysql.sockとなっている部分を/tmp/mysql.sockに変えます。3カ所あります。
1077行目付近のpdo_mysql.default_socket
1231行目付近のmysql.default_socket
wordpressを動かすだけなら上の設定だけで動きます。念のため他も設定してます。
1290行目付近のmysqli.default_socket
2-3 起動スクリプトの設定
OS起動時にmysqlを自動で起動させるためにスクリプトを設置します。
~/Library/LaunchAgentsが無い場合は、先に下記を実行します。
設置したらスクリプトを一部変更します。デフォルトではmysqlが落ちても自動で復帰するようになっているのですが、言い方を変えると「停止できない」状態です。
何かトラブったりして起動できない状態になると「落ちる→起動→落ちる→起動」を永々に繰り返すので、とても迷惑です。環境が整うまでは停止できるようにした方がいいと思います。
~/Library/LaunchAgents以下にコピーした、homebrew.mxcl.mysql.plistをXcodeで開きます。
開いたら「KeepAlive」を値を「NO」にします。これで停止できるようになります。
設定が済んだら下記を実行してスクリプトを有効にします。
3 phpMyAdminのインストールと設定
MySQLをコマンドで操作する場合は不要です。必要な方だけ導入します。これもhomebrewでインストールします。
3-1 phpMyAdminのインストール
最初にhomebrew-phpというリポジトリを追加します。
追加したらphpMyAdminをインストールします。
インストール時に表示される注意書きのとおり、上の囲った部分をApacheのバーチャルホストに設定します。
3-2 phpMyAdminのバーチャルホスト設定
以下を実行してバーチャルホストの設定ファイルを編集します。
ファイルを開いたら、空いているところに先ほどの設定を追加します。
Alias /phpmyadmin /usr/local/share/phpmyadmin <Directory /usr/local/share/phpmyadmin/> Options Indexes FollowSymLinks MultiViews AllowOverride All Order allow,deny Allow from all </Directory>
3-3 設定ファイル config.inc.php を作成
phpMyAdminの設定ファイル、config.inc.phpを作成して編集します。
$ cd /usr/local/Cellar/phpmyadmin/3.4.10.1/share/phpmyadmin/
$ cp config.sample.inc.php config.inc.php
config.inc.phpを編集
$ sudo vi config.inc.php
17行目付近、下記赤字部に適当な文字列を記入
$cfg['blowfish_secret'] = 'abcd1234567';
47~57行目付近、下記赤字部のコメントアウトを外す
// $cfg['Servers'][$i]['pmadb'] = 'phpmyadmin';
≀
// $cfg['Servers'][$i]['userconfig'] = 'pma_userconfig';
↓
$cfg['Servers'][$i]['pmadb'] = 'phpmyadmin';
≀
$cfg['Servers'][$i]['userconfig'] = 'pma_userconfig';
ここまで済んだら、Apacheを起動します。
念のためMySQLを再起動させておきます。
3-4 phpMyAdmin用のデータベースをインポート
http://localhost/phpmyadminにアクセスし、手順2-1で設定したパスワードを入れてログインします。
ログインしたら「インポート」タブを選び…
/usr/local/Cellar/phpmyadmin/3.4.10.1/share/phpmyadmin/scriptsの中にある「create_tables.sql」をインポートします。
LAMP環境はこれで終了です。最後にWordpressを入れます。
4 Wordpress のインストールと設定
ちょっと調べれば大量に情報がでてくるので最低限の手順のみを。
4-1 Wordpressを設置
wordpressを設置する~/Sitesに移動します。
Woredpressをダウンロードします。
ダウンロードした圧縮ファイルを解凍します。
4-2 Wordpress用のデータベースの作成
例として「wordpress」という名前のデータベースを作成します。
4-3 Wordpressの基本設定
wordpressの設定ファイル wp-config.php を作成して、諸設定を記入していきます。
$ cd ~/Sites/wordpress
$ cp wp-config-sample.php wp-config.php
wp-config.phpを編集
$ vi wp-config.php
開いたファイルの下記赤字部分を変更
/** WordPress のためのデータベース名 */
define('DB_NAME', 'wordpress');
/** MySQL データベースのユーザー名 */
define('DB_USER', 'root');
/** MySQL データベースのパスワード */
define('DB_PASSWORD', 'mysqlで設定したrootのパスワード');
4-4 所有者を変更
.htaccessを手動で編集したり、プラグイン導入時にパスワードを入力するのが面倒なので、所有者を _www(Apache)に変更してパス無しで実行できるようにしてます。
4-5 バーチャルホストを設定
phpMyAdminと同様にバーチャルホストを設定します。設定しなくても使えますが、サイトのアドレスが長くなって面倒なので設定してます。
Alias /wp /Users/kikaigyo/Sites/wordpress <Directory "/Users/kikaigyo/Sites/wordpress"> Options Indexes FollowSymLinks MultiViews AllowOverride All Order allow,deny Allow from all </Directory>
ユーザー名は環境に合わせて変えてください。
4-6 Wordpressのインストール
一通り設定が済んだら、念のためApacheとMySQLを再起動しておきます。
再起動したら、http://localhost/wp/にアクセスします。下のような「WordPressへようこそ」の画面が表示されたら成功です。
後は、この画面でサイト名、パスワード、メールアドレスを設定し、左下の「WordPressをインストール」をクリックすればwordpressが使えるようになります。
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