
Western Digital社の「WD20EARX」というハードディスク(以降HDD)を玄人志向の「GW3.5AA-SUP」というケースに入れてUSB接続で使ったところ、新品にも関わらずHDDが故障したときのような症状がでてしまいました。
恐らく相性問題ではないかと思うのですが、このHDDは「低速病」という残念な症状がでることで有名ですので一応悪あがきをしてみました。
いつか低速病のHDDに当たってしまったときに役に立つかもしれないので、備忘録として実施した作業手順を残しておきます。
症状
数百GBのデータが入ったフォルダをFinderでコピーし、コピー終了後に件のHDDを開くとレインボーカーソルが回りだしてFinderが固まってしまいました。その時のログを見ると、ジャーナルに関するエラーと、カーネルがI/Oエラーを吐いています。
もう一つ同じケースを持ってまして、そっちには日立製の2TBを入れてますが、このような症状は一切でません。しかも、HDDとケース共に、初期不良で一度交換してます。にもかかわらず症状に変化がないので相性問題かなと思った訳です。
このHDD、Advanced Format Technology という特殊な形式のフォーマットを採用してます。そのため、WindowsXPなどで使う際には「アライメント調整」という特殊な作業が必要になる場合があります。
ですが、GUIDパーティションテーブルに対応しているOSであれば、普通は調整をする必要はありません。Western Digital社のページによると、OSXは10.4以降なら問題ないそうです。
しかしOSXでも低速病が出たといった報告をちらほら見かけますので、念のため、Ubuntuを使ってアライメント調整を施したGUIDパーティションテーブルを作成し、そこにhfs+形式のファイルシステムを作成することにしました。
Ubuntuを使ったパーティション作成とアライメント調整
今回使用した環境は以下になります。
使用環境:Mac | 外付けHDD | 使用環境:Ubuntu |
---|---|---|
iMac mid 2007 20" Model:MA877JA OS:OS X 10.7.3 |
HDD:WesternDigital Model:WD20EARX ケース:玄人志向 Model:GW3.5AA-SUP |
ThinkPad R60e Model:0658AJ9 OS:Ubuntu 10.04.4 |
1 パーティションの削除
ディスクユーティリティを開いて削除したいボリュームを選択後、左下の - をクリックします。
クリックしたら 削除 を実行します。
削除し終えたら、UbuntuにHDDを接続して作業します。
2 Ubuntuで調整を施したGUIDパーティションテーブルを作成
最初にGpartedと、GUIDパーティションテーブルを調整するのに必要なgdiskをインストールします。
インストールしたらGpartedを開き…
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接続したHDDを選びます。先頭にあるEFI(黄緑色のところ)をクリックして削除。
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倉庫として使うHDDですし、何か変化があればと思って削除しました。
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削除したらターミナル(端末)を開き$ sudo gdisk デバイス名と実行し、以下のように入力していきます。
上の「開始セクタ」の部分がアライメント調整になります。Macのディスクユーティリティでパーティションを作成すると、開始が40だったので同じ値にしましたが、8で割り切れる数値なら何でも構わないと思います。
WindowsXPなどではここが63になり、8で割り切れない数値なので調整が必要になります。なぜ "8" なのかは、HDDがデータを保存する仕組みや、パソコンの歴史から説明する必要があるので割愛します。
次はファイルシステムを決めます。
変更を確定します。2TBで数十秒ほどで終わりました。
上の画像は分割してますが、実際には以下のようになります。
ここでGpartedを開いて、開始セクタが40になっていることを確認します。HDD全体がEFI扱いになってますが、この後Macでhfs+に変更するので無視です。
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GUIDパーティションテーブルの作成部分は、GPT fdisk を入れればMacでも作成できると思います。一通り終わってから知ったので私は試してません。
3 Macで hfs+ のファイルシステムを作成
面倒ですが再度Macに接続し、ターミナルでhfs+のファイルシステムを作成します。ディスクユーティリティで作成してしまうと、GUIDパーティションテーブルごと作成されてしまい、先ほどまでの作業が全て無駄になります。
一度ディスクユーティリティを開き、デバイス名を確認します。
ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。
赤字部分には、パーティションにつけたい名称を。青字部分に先ほど調べたデバイス名を入れて実行します。これも数十秒ほどで終わります。
下は、一通り終わってから確認のためUbuntuのGpartedで開いてみたところです。
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先頭のEFI領域や最後尾の空き領域を削除し、開始セクタを40に調整した "蔵" が完成しました。
Macでは元から8で割り切れる数値が開始セクタとして設定されてますし、相性問題の可能性が高いと踏んでいるので、これで症状が改善されるとは思ってません。これでダメなら諦めがつくので、しばらく様子を見たいと思います。
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