
Macに最初から入っているApacheやPHPを使ってLAMP環境を構築し、WordPressを導入するまでの手順です。以前にも同じ様なことを書いているのですが、環境構築に必要な最低限の手順をまとめておきたかったので改めて記事にしました。
Lionでの内容になりますが、SnowLeopardで構築する場合も同じです。それ以前のバージョンでもそんなに変わらないと思います。
最初に…
Lionの場合は、まず最初に「システム環境設定」→「共有」→「Web共有」をONに出来るかどうか確認してください。
もしONにできなかったら下のコマンドを実行してApacheの設定ファイルhttpd.confを初期状態にしてみてください。
1. MySQLのインストール
Apacheやphpは最初から入っていますが、データベースは入っていないのでMySQLを導入します。
まだLion用のMySQLは無いので、10.6の64bit版を使います。
Download MySQL Community Server
ダウンロードしたDMGファイルを開き、中にある以下の3つをインストールします。
インストールしたらMySQLのrootパスワードを設定します。
末尾のpassの部分に設定したいパスワードを入て実行します。
インストール後はシステム環境設定内にMySQLが追加され…
ここから自動起動の有無とON/OFFを操作できるようになります。
2. phpの設定
phpとMySQLを連携させるため、phpの設定ファイルを作成してmysqlのソケットファイルのパスを記入します。
$ sudo cp /etc/php.ini.default /etc/php.ini
ファイルのアクセス権を設定
$ sudo chmod 644 /etc/php.ini
php.iniを編集
$ sudo nano /etc/php.ini
1219行目付近、mysqlのソケットファイルのパスを変更
mysql.default_socket = /var/mysql/mysql.sock
↓
mysql.default_socket = /tmp/mysql.sock
ソケットファイルのパスを調べる場合
大概 /tmp 内にあると思うのですが、ソケットファイルの場所を調べる場合は以下の手順で調べられます。
$ /usr/local/mysql/bin/mysql -u root -p
下記赤字部を実行し、ソケットファイルの場所を調べる
mysql> status
--------------
/usr/local/mysql/bin/mysql Ver 14.14 Distrib 5.5.12, for osx10.6 (i386) using readline 5.1
≀
Conn. characterset: utf8
UNIX socket: /tmp/mysql.sock ←これがソケットのパス
Uptime: 50 min 21 sec
Threads: 1 Questions: 17 Slow queries: 0 Opens: 33 Flush tables: 1 Open tables: 26 Queries per second avg: 0.3
--------------
調べたら下記赤字部を実行し、ログアウトする
mysql> quit
mysql.sockが無かったり破損している場合
mysql.sockが無かったり破損していたら、下記を実行してmysqlを再起動すればソケットが再作成されると思います。
3. Apacheでphpを有効にする
デフォルトではphpが無効になっているので使えるようにします。
$ sudo nano /etc/apache2/httpd.conf
111行目付近、下記赤字部のコメントアウトを外してphpを有効にする
#LoadModule php5_module libexec/apache2/libphp5.so
↓
LoadModule php5_module libexec/apache2/libphp5.so
4. phpMyAdminのインストール
MySOLのデータベースをブラウザから管理できた方が楽なのでphpMyAdminを導入します。
phpMyAdminより最新版をダウンロードし、/Library/WebServer/Documents の中に展開します。
この時、フォルダ名をわかりやすい名前(phpMyAdminとか)に変えておきます。
5. phpMyAdminの設定
phpMyAdminの設定ファイル、config.inc.phpを作成して編集します。
$ cd /Library/WebServer/Documents/phpMyAdmin/
$ cp config.sample.inc.php config.inc.php
config.inc.phpを編集
$ sudo nano config.inc.php
17行目付近、下記赤字部に適当な文字列を記入
$cfg['blowfish_secret'] = 'abcd1234567';
47~57行目付近、下記赤字部のコメントアウトを外す
// $cfg['Servers'][$i]['pmadb'] = 'phpmyadmin';
≀
// $cfg['Servers'][$i]['userconfig'] = 'pma_userconfig';
↓
$cfg['Servers'][$i]['pmadb'] = 'phpmyadmin';
≀
$cfg['Servers'][$i]['userconfig'] = 'pma_userconfig';
137行目付近の空いているところに下記を追加
$cfg['McryptDisableWarning'] = true;
ここまで終わったらApacheとmysqlを再起動して設定を反映させます。システム環境設定でON/OFFするか、下記コマンドを実行します。
$ sudo /Library/StartupItems/MySQLCOM/MySQLCOM restart
6. phpMyAdmin用のデータベースをインポート
再起動したらブラウザで http://localhost/ に phpMyAdmin のフォルダ名を足したURLにアクセスします。
phpMyAdminにアクセスしたら、MySQLのユーザー名(root)と設定したパスワードを入力してログインします。
ログインしたら、「インポート」タブを選択して「現在のサーバへのインポート」ページを開きます。

ページを開いたら「アップロードファイル」より、phpMyAdmin/scripts フォルダ内にある「create_tables.sql」をインポートします。
これでLAMP環境の導入は終了です。次はWordpressを入れていきます。
7. Wordpressの設置
Wordpressのサイトから最新版をダウンロードします。
ダウンロードして解凍したら、~/Sites(サイト)フォルダの中に移動します。
Sitesフォルダが無い場合は、システム環境設定で「Web共有」を一度有効にすると作成されます。
8. Woredpress用のデータベースを作成
例として「wordpress」という名前のデータベースを作成します。
phpMyAdminにログインし、「データベース」タブの「新規データベースを作成する」にデータベース名(今回はwordpress)を入れて「作成」をクリックすれば作成されます。
ちなみに、ターミナルから作成する場合は以下になります。
$ /usr/local/mysql/bin/mysql -u root -p
データベースを作成
mysql> create database wordpress;
9. Wordpressの設定
wordpressの設定ファイル wp-config.php を作成して、諸設定を記入していきます。
$ cd ~/Sites/wordpress
$ cp wp-config-sample.php wp-config.php
wp-config.phpを編集
$ nano wp-config.php
開いたファイルの下記赤字部分を変更
/** WordPress のためのデータベース名 */
define('DB_NAME', 'wordpress');
/** MySQL データベースのユーザー名 */
define('DB_USER', 'root');
/** MySQL データベースのパスワード */
define('DB_PASSWORD', 'mysqlで設定したrootのパスワード');
10. 所有権とアクセス権
アクセス権を設定された状態で配布されているので所有者だけ変更してます。
.htaccessを手動で編集したり、プラグイン導入時にパスワードを入力するのが面倒なので、_www(Apache)にして自動でやってもらうようにしてます。
しかし所有者が自分ではないので、phpファイル等をエディタで直接編集する際に毎回パスワード入力が必要になります。
テーマ作成等で直に編集したい場合は必要に応じてアクセス権を変更します。
アクセス権ついての詳しいことはWordPressのサイトの「ファイルパーミッションの変更」をご覧ください。
11. Wordpessをインストール
ここまで済んだら、システム環境設定→共有にあるWeb共有をONにし、下の囲ってある部分のURLに「wordpress」 を足したアドレスにアクセスします。
私の場合は「http://kikaigyo.local/~kikaigyo/wordpress」になります。
URLにアクセスすると「WordPressへようこそ」の画面が表示されると思います。

後は、この画面でサイト名とwordpressのパスワード、適当なメールアドレスを設定して、左下の「WordPressをインストール」をクリックすればwordpressが使えるようになります。
ログインしてホームが表示されれば成功です。
スポンサード リンク