メンテナンスと隠し設定の変更ができる無料アプリとして有名なOnyX。初心者にお勧めのアプリとして紹介されてたりしますが、中には初心者向けとは思えない機能も実装されており、間違えて設定してしまうと面倒な事になりかねない一面もあります。そのような間違いを犯さないように、OnyXを使う上での注意点と、私が実施しているOnyXを使ったMacのメンテナンス方をご紹介致します。
※使用環境
OSX 10.6.7にて、OnyX 2.2.7を使用。
[2012年2月3日]:Onyx for Lion を日本語にする方法をお探しの方は、別記事「Onyx for Lion を日本語にする方法 」を参考にしてください。
環境設定
変更しなくても一切支障はありませんが、参考までに私が設定している内容を。
インターフェイス:起動時に開くパネルを「検証」にしています。
これは、詳細設定で「S.M.A.R.T」と「起動ボリュームの構成」を起動時に検証しない設定にし、Onyx起動後に検証している為です。
起動時に毎回検証されるのがうっとおしいので私は切ってますが、「起動ボリュームの構成」は検証するようにしておいた方がいいと思います。
メッセージとログ:起動時に表示される、重要情報等のチェックを外して表示されないようにし、終了時にログを削除されないようにしています。
メンテナンス実行前にやっておくこと
余計なトラブルを避けるためにも、以下の3つは必ず実施してください。
- TimeMachine等を用いて、バックアップは必ず取っておく。
- OnyX、OSX共に最新のアップデートを当てておく。ただし、ベータ版(OnyX)は危険なので使用しない事。
- 全ての作業を終了してからメンテナンスを実施する。
以降は、私が実際に実施しているメンテナンスを順を追って紹介していきます。
検証
S.M.A.R.T:ハードディスクの自己診断機能で、ハードディスクが機械的に壊れていないかを検証します。
起動ボリュームの構成:ディスクユーティリティーの「ディスクを検証」と同じです。
私の場合はOnyX起動時にこれらの検証していないので、ここで実施します。
環境設定:これは各アプリの「設定ファイル」を検証するもので、私は何かのアプリが不調の時にトラブルシューティングの一環として使ってますが、通常は実施しません。
ちなみにこのファイルを削除してしまうとアプリの設定が初期化され、有料アプリの場合はライセンス認証がリセットされたりします。
メンテナンス
アクセス権:ディスクユーティリティーの「アクセス権を修復」と同じです。必ず実施します。
スクリプト:OSXの自動メンテナンスを手動で実施する場合に使用します。
このメンテナンススクリプト、こちらでも書いてますが、1日、一週間、一ヶ月ごとの、決まった時間に自動で実行される、一時ファイル等を削除する機能です。
ちなみに、システム環境設定、省エネルギー内の「ネットワークアクセスによってスリープを解除」を有効にしている状態でネットに常時接続していると、スリープから勝手に復帰してメンテナンスを実行してくれます。
ディスプレイが真っ暗のまま復帰するので、すぐ分かります。
再構築:データベースやインデックス等を再構築します。 私は下の様な感じで実施してますが、ここは何かトラブルが発生した際にやればいいと思います。詳細は下記を参考にしてください。項目 | 説明 |
---|---|
LaunchServicesデータベース | ファイルとアプリケーションの関連づけを司ってるデータベースで、「このアプリケーションで開く」の表示に不具合が生じた時に実行します。 |
dyldの共有キャッシュ |
アプリの動作に必要なフレームワークやライブラリ等を読み込むダイナミックローダー。このダイナミックローダーのキャッシュを更新するものです。 通常は自動で実行されていますが、手動で実施する場合はチェックします。 旧プリバインディング。 |
フォルダの表示設定 |
フォルダを開いた時のウィンドウサイズや、アイコン、サイドバーの有無などの、表示設定を記録している .DS_Store ファイルを削除します。フォルダ表示がおかしい時やFinderが不調時に実行します。 |
Spotlightインデックス | Spotlightが参照するインデックス(索引)を再構築します。 |
MailのEnvelopeインデックス |
Mail.appのインデックス。 Mailで受信したメッセージの表示がおかしい時や、検索してもメッセージが見つからない場合に実行します。 |
Finderウィンドウのサイドバー | Finderウィンドウのサイドバー表示を初期化します。これもFinderが不調の時に実行します。 |
ヘルプビューア | ヘルプビューアのヘルプトピックの一覧を初期化します。 |
locateデータベース |
デフォルトではOFFになっていますが、ターミナルからファイル等を検索する際に使用する $ locate コマンドの検索用データベースを再構築します。ターミナルや、OnyXのユーティリティ内にある「検索」を使用して検索する事がなければ実施する必要ありません。 |
クリーニング
システム:基本はデフォルトですが、システムの調子が良くない時は、カーネルキャッシュを削除してます。
CUPSとディレクトリサービスは、プリンタ共有やファイル共有といったサーバー機能に関するものなので、使用していなければ特に削除する必要は無いと思います。
ユーザー:これもデフォルトのまま特に変更しません。
インターネット:全て削除してます。特にSafariは、キャッシュ、ブックマークアイコン(ファビコン)が破損して不安定になる事が多い気がするので必ず削除してます。
このインターネット、Safari以外のブラウザにも適用されるみたいですが、キャッシュは削除してくれるものの、履歴等は削除してくれないので、うまく機能してないようです。Safari以外のブラウザは、自分でクリーニングした方がいいと思います。
フォント:私はOffice2008を使用しているのでMSのみ削除すればいいと思うのですが、念のため全て削除してます。
ログ:アップデートログと、診断レポート(アプリのクラッシュレポート)は残しています。
その他:私は全て削除してますが、ここの項目、使用環境によっては削除されては困るものもあると思うので、下記を参考に使用状況にあった項目を選びます。
項目 | 説明 |
---|---|
最近使った項目 | Finderの「最近使ったフォルダ」や、Appleメニューの「最近使った項目」等に表示される履歴を削除します。 |
計算機の最近の換算 | 計算機の計算履歴を削除します。 |
"メールダウンロード"フォルダ内の項目 |
/Users/ユーザー名/ライブラリ/Mail Downloads フォルダには、これまでMail.appで開いたファイルのコピーを保存してあるのですが、それを削除する設定です。
|
"保存済みの検索条件"フォルダ内の項目 |
/Users/ユーザー名/ライブラリ/保存済みの検索条件 フォルダに保存された検索条件を削除します。
|
使用済みの項目 |
/cores/ フォルダ内にある、各プログラムがクラッシュした際の状況を保存してあるファイルを削除します。
|
古いiTunesライブラリ |
iTunesのバージョンが上がった際に保存されるiTunesライブラリのコピーを削除します。 iTunesバージョンアップ後に、特に不具合が無ければ削除してます。 |
画面共有の"マイコンピューター"リスト | 画面共有.appのマイコンピューターリストを削除します。 |
QuickTimeのコンテンツガイド | QuickTimeを起動した際に表示される情報コンテンツのキャッシュを削除します。(恐らくQuickTime7等の旧バージョンのことだと思います。) |
ここで再度「アクセス権の修復」を実行し、メンテナンス終了です。
以上が、私が実施しているOnyXを使ったメンテナンスです。
以降は、メンテナンスでは使用していない各パネルの内容を簡単に紹介致します。
ユーティリティ
マニュアル:各コマンドのマニュアルを表示する、manコマンドのデータベースを再構築するもので、特に実施する必要はないです。
ゴミ箱:「ゴミ箱を空にする/確実に削除する」を実行できます。
検索:$ locate
コマンドのデータベースに関する設定と検索です。locateコマンドを使う人や、このパネルでファイルを検索する人向けです。
プロセス:Linuxでの話になりますが、プロセスアカウンティングとは、「いつ、誰が、どのコマンドを実行したか?」といった記録を逐一残しておく機能です。Macでも同じだと思います。通常は使用しません。
表示設定:指定したボリューム、フォルダ、ファイルを不可視にしたり、表示したりする項目です。
自動処理
各項目を一気に実行したい場合に使用します。
各種設定
OSXの隠し設定を有効にするものですが、よくわからない設定は有効にしないことをお勧めします。
特に注意して欲しいのは「起動モード」です。これは、$ nvram
コマンドを実行して起動モードを変更しているようなので、例えば、何も知らずにシングルユーザーモードにしてしまうと、次回、起動/再起動した時に血の気が引くと思います。分かっている人には便利な機能なんですが‥。
ちなみに、起動モードに関してはこちらの記事が参考になるかと思います。
OnyXの日本語リソース修正
使用には一切問題はありませんが、一部の日本語表示のフォント指定が狂ってしまっています。
気になる方は、OnyXの日本語ローカライズを担当してらっしゃるE-WAさんのブログにて修正版のリソースが公開されていますので、そちらをダウンロードし、既存の日本語リソースと入れ替えてください。
OnyX 2.2.7 & Maintenance 1.3.8 修正日本語リソース | E-WA’s Blog
既存の日本語リソースは、OnyXを右クリック → 「パッケージの内容を表示」と進み、「Contents」 → 「Resources」の中にあります。
不十分な内容かと思いますが、Macをメンテナンスする際の参考していただければ幸いです。
OnyX:Titanium's Software
参考Link:E-WA's Blog
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